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2010-06-03

@takagengen、政治についての原則を語る

鳩山首相の辞任。政治について、高橋源一郎(@takagengen)さんがTwitterで語っている。
勝手に引用させてもらうことにした。

昨日夕刻、鳩山首相の辞任に関するツイートを始めてから、ほぼ一日で1000人近くフォロワーが増えました。リプライもたくさんありました。その多くは「共感するが、具体的にはどうするべきなのか」というものでした。ここは、具体的な提案を早急にする場所でありませんが、原則なら語れると思います

いまからツイートするのは、ぼくが「政治的アクション・政治的言論」に関して原則とすべき、と考えていることです。それは政治的事件や政策への批判、なんらかの提案、具体的な行動、等々、政治に関する関わりのすべてを含む政治的アクションを起こすにあたって、守るべきことと考えているものです。

  • 原則1・「批判」は「対案」を抱いて臨むべし……政治的問題を批判する時、単なる批判ではなく、なんらかの「対案」を抱いてからあたるべきです。「××の〇〇という政策は愚か」ではなく「××の〇〇という政策で、△△は評価に値するが、□□は▲▲へ代替すべき」という語法で語るべきです。
  • 原則2・「対案」は「原理的」「現実的」「応急」「思いつき」のいずれでも良し……政治的問題に「正解」はありません。ただ「最適解」が存在するだけです。必要なのは、「最適解」に至る材料を提出することです。「言わない」ことがいちばんまずいのです。なぜ、批判だけするのか。
  • 原則3・「自分の意見」は変わるべし…「対案」として「自分の意見」を提出しても、固執する必要はありません。というか、よりましな意見を目にしたら、「即座に変える」べきだとぼくは考えます。なぜなら、「対案」もまた「叩き台」にすぎないからです。一人より複数の智恵を参考にすべきです。
  • 原則4・「対立する相手」の意見にこそ耳をかたむけるべし…もっとも本質的な批判は、対立者からのものです。だから、その意見にこそ耳をかたむなければなりません。同調者や支持者の意見は、耳に優しいものですが、自分の「対案」を、「よりまし」にする力にはならないからです。

  • 原則5・「寛容」をもって臨むべし……「対立」する意見を持つ「対立者」を「敵」と考えてはなりません。「対立者」もまた、同じこの共同体を構成する、かけがえのない成員なのですから。だから、「非国民」「売国奴」「愚か者」のような言葉を決して使ってはなりません。

以上が、ぼくの考える「原則」です。そして、当然、その「原則」も、より優れた「原則」があれば、すぐに撤回するでしょう。政治は、ある意味で「現実」の仕事です。具体的な問題への具体的な回答です。それに応答する準備はできています。だからこそ、いま、「原則」について語ろうと思ったのでした。

けれど、いまでは、もう少し異なった理由から、この原則を採用するようになりました。それが、「政治的問題に頭を突っ込む理由」です。

  • 理由1・ぼくには、いま、4歳と5歳の子どもがいて、彼らに「いまよりましな社会=政治システム」を送り届けたいと考えています。それは個人的な感慨にすぎません。ぼくは、それを、もう少し、普遍的な言葉で言い直すことができる、と考えています。
  • 理由2・それは「ある共同体の成員は、まだ生まれていない、その共同体の未来の子どもたちに対して責務がある」と感じることです。「公共性」は、この「責務」感にこそ、礎を置くべきだとぼくは思うのです。この「責務」感は、ぼくの発見でありません。ベネディンク・アンダーソンが『比較の亡霊』の中で、成熟した国民国家の成員たちの「公共性」の基礎に見いだした感情でした。「公共」とは、目に見えるものだけではなく、目に見えないものへの「信頼」によって成立させなければならない、とアンダーソンは考えました。ぼくは、その考えに深く同意します。それは異様な意見でしょうか?
  • 理由3…文学もまた、アンダーソンの「公共」と同じように、遥か昔に亡くなった者のことばを受け取り、それを、まだ生まれぬ未来の誰かに手渡す仕事をしています。その意味では、文学は、正しく「公共」を目指して書かれるのです。目の前にいる者だけではなく、まだ存在していない者に手渡すために。
  • 理由4…だから、ぼくの中で、「文学」と「政治」は、「未来の共同体」へ向かう「公共性」の一点で、結びついているのです。そこにこそすべの「公」の基礎があります。もちろん、このような「公共」に参加しない自由も、ぼくたちは持っているのですが。

      ★                 ★

ナシーム・タレブ「ブラック・スワン」は叙述のしかたが気に入らない。というか、こちらの頭がついていけないんだろうな。









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