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2010-03-04

在庫一掃に向けて、読んだ本をメモっておく

在庫一掃に向けて、「読んだことがある本」の記録を取っておく。

いまになってみると、20世紀末の「2000年問題」の狂騒が懐かしい。「コンピュータが狂い出し、世界が破滅する」と真面目に怯える人もいた(個人的にはワクワクしていた)。
ところが、実際には何にもなくてほっとしていたら(ガッカリしていたら)、21世紀の最初の年に世界同時多発テロが勃発してビックリ(徹夜でテレビを眺めていたなあ)。
それがいまや「イチゼロ年代」。「ゼロ年代」も終わっちゃったね。いまでは「戦後社会」といった物言いも、「何という戦争の後よ?」と真面目に問われるようになった。何しろ2010年、平成22年なんだもんなあ(ヤダなあ、老人)。

現代日本の転機」と「ニッポンの思想」。
ここ20~30年ほどの日本社会を振りかえってみる。支配的なイデオロギーや言説装置の変遷を丹念にトレースしていくと、いまだからありありと浮かび上がってくる構図が見えてくる。いってみれば、この社会に住む人々の欲望の大きさ、形、由来と源泉、そしてその向かう先といった見取り図である。
そこにあるけれど、直視したくないもの。ありもしないのに、実像であるかのように取り扱ってきた幻想。そういうものがよく分かる。この2冊、「戦後ニッポン」の反省の書としてタメになったな。

内田樹、よく売れてるみたい。古くから彼のブログや著作を読み、学ばさせてもらっている身としては、何とも喜ばしい限り。
さて、「日本辺境論」である。真剣に読んだわけでもないが(真剣に読む本でもないのかもしれないが)、書かれていることは(本人も強調しているように)、まったく独創的ではない。
でも、「ニッポン論」の先達の諸論を取りまとめる格好で、日本の言語=精神、宗教=文化、国家=政治、社会=経済の本質を鋭く射ていることは疑い得ない。実に面白い。説得的でもある。
しかし、個人的には不満がある。というのは、「ニッポン論」の先達の一人として「いま、ここにいる最大の思想家」が省かれていること。
パスされている思想家の名は柄谷行人。
最近、思想家の著作集を再読した身からすると、この本に書かれていることのすべてがよく深く、より普遍的に、しかもリアルな歴史認識として実体的に語られ、説明し尽くされていることに気づく。
その意味では、(自分にとっては)この本は柄谷行人が語る「日本精神分析」のポピュラーなサブセットでしかなかった(「内田樹の研究室: 賢者は良賈に似たり」などを読む限り、内田先生は柄谷先生がお嫌いのようだから、致し方ないのかもしれない)。

以下の4冊。

  • 世界を分けてもわからない」。一連の「部分と全体」を問い直すエッセーの一つ。分子生物学の世界をスリラー本のように楽しく記述するのは、才能としかいいようがない(ただ、内容の詳細はほとんど忘れてしまった)。
  • 13日で名文を書けるようになる方法」。文豪・高橋源一郎は明治学院大学の教授でもある。学生たちに文章を書かせて、面白いものをセレクト。
    なるほど、面白い文章が並ぶ。文豪の講座を選択するような若者だもん、文章を書くことが大好きなのだろうな。そんな文章をテキストにしちゃう文豪のセンスに感服。
  • 民主主義が一度もなかった国・日本」。立ち上がったばかりの民主党政権に対する期待と熱気がムンムンと立ち込める。
    ここにきてガックリと支持を低下させている民主党だが、著者の福山哲郎議員や山井和則議員(福祉政策)など、自民党などにはいない優秀な人材がたくさんいる(雑誌「現代思想」の小宮山洋子議員のインタビューも立派だったな)。
    青年将校化する検事(佐藤優先生)や劣化するバカメディア(宮台真司先生)の執拗な攻撃に耐えて、まともなニッポン社会を創り出してほしいと切実に思う。
  • 格差とイデオロギー」。ある意味ではお付き合いで読んだ本。
    碓井敏正先生は京都橘大学の教授。仕事絡みでお話をさせていただいた。温和にして高潔な人柄。いっしょにススキノで騒いで楽しかった。愛すべき左翼リベラル・アクティビスト。
    先生とは政治的なセンスや思考の経路が少しだけ違っているかもしれない。でも、そんなのちっちゃいこと。「差異」から発想せず、「同一性」からスタートすること。そうだよ、ベースは「友愛」なんだよね(内田樹ブログの「マルクス本を書いてます (内田樹の研究室)」を読み、あらためてそう感じました)。









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