2004米国皇帝選挙、佳境に入る・・・
最近のニュースを拾い読みしていると、やはりアメリカ大統領選挙のことが気になります。
実は、以前、ふざけて2004年米国大統領選挙の予想をしたことがあります。「ブッシュ対ゲッパートでブッシュの勝ち」とは・・・まるで関係ないですね。恥ずかしい限りです。私が民主党の大統領候補としたゲッパート氏は、1月19日(だったかな)のアイオワ党員集会での惨敗で早々に戦線離脱を表明しました。さらに加えて、本音としてはゲッパート氏より買っていたクラーク氏も選挙戦撤退を決めたとのこと。米大統領・民主党予備選、ケリー氏が南部2州も制すということで、民主党はケリー候補で決まりのようです。
これで、3月2日の「スーパー・チューズディ」を前にして、ブッシュ、ケリー双方の大統領候補と組む副大統領候補は誰か?が残りの焦点になってきたという感じです。民主党の副大統領候補はエドワーズ氏? あるいは・・・といったところでしょうか。一方、共和党の方は田中宇の国際情勢ウェブログによると、「副大統領候補はチェイニーの代わりにジュリアーニ?」との動きもあるとか。ちなみに、正副大統領のコンビを称して、あちらの用語では<Ticket>というんだとか。ここしばらくは有権者に最高のチケットを差し出すため、共和・民主両党ともに最適解を求める試行錯誤や駆け引きが続きそうです。
さて、ケリー氏の予備選勝利が濃厚になるにつれて、ブッシュ大統領の軍歴疑惑が大きな問題に発展しそうな雰囲気です。「米大統領は脱走兵?州兵軍歴の疑惑再燃」という事態は、ケリー氏がベトナム戦争の英雄であることを考慮すると、大統領側にとっては相当に厄介な問題なはずです。ブッシュ大統領は、この事態をどのように切り抜けるのでしょうか。そんなふうにニュースを眺めてみると、官房機密費から2億2000万円を右翼団体に支出したとの疑惑をもたれているわが国の中川秀直前官房長官のケースを含めて、日米それぞれの権力者たちが繰り出すメディア・コントロールの術を検証する良い機会が与えられたようにも思います。
ところで、アメリカの大統領選挙というのは、とても面白いものだな、とつくづく思います。ちょうどサッカーのワールドカップと似た面白さがあります。本大会の出場権を得るために長く苦しい予選を戦い抜く・・・今回でいえば、民主党予備選がこれにあたります。ここらあたりに関心がある方は、溜池通信のいくつかの文章(PDFの文書になっています)を読んでみることをお勧めします。著者のかんべい氏は、ご自身を「アメリカ大統領選挙オタク」と呼んでいます。以下の文章は、彼が大統領選挙オタクと化した一瞬を描いたものです。
<From the Editor> 感染の瞬間
1992年の2月。筆者は当時一人で住んでいたワシントンDC近郊の自宅で、C-SPANの選挙活動報道を飽きずに見ていました。場所はニューハンプシャー州、吐く息は白く、ひと気の少ない街で、候補者たちは懸命の選挙活動を続けていました。
夕方、工場から出てくる工員たち全員に、握手の手を差し伸べていたのはボブ・ケリー上院議員。ひとりひとりに向かって、”I'm Bob Kerry. Nice to meet you.”――単調な声で、左手には紙コップのコーヒーを握りつつ、右手を差し延べていましたが、こんな「どぶ板」をアメリカでもやるものなのかと驚きました。
小気味のいいアジ演説をぶっていたのはトム・ハーキン上院議員。「この問題の責任者は誰か?アメリカ合衆国大統領、ジョージ・ハーバード・ウォーカー・ブッシュなのである」――時代遅れの左派候補は、大衆政治家としての真骨頂を見せていました。
そして圧巻だったのが、小さな集会場に詰めかけた人々を沸かせていたビル・クリントン知事でした。「もっと、もっと質問をくれ。僕らはニューハンプシャーにいるんだ。そして僕らの周りには問題がたくさんある。そうだろう?」――どう見ても選挙権のなさそうな少女がおずおずと手を挙げて、「クリントン知事、選挙が終わっても、またこの場所に来てくれますか?」と言った。そのときに彼が見せた笑顔は、その後の8年間でわれわれが数え切れないほど見た、あの名状しがたい魅力に満ちたものでした。
政治とは、これほどまでに人の心を熱くできるものなのか。今から考えると、筆者の病気はあの頃に始まったのです。そして重度の「米国大統領選挙オタク」の血は、来年に向けて早くも騒ぎ始めているのです。(溜池通信 2003/07/25号より抜粋)2月6日号 特集:ブッシュ再選を阻止する方法
1月23日号 特集:アイオワ州党員集会と一般教書演説
11月21日号 特集:米国政治、保守派優勢の構図
10月31日号 特集:米大統領選挙とシュワちゃん効果
10月3日号 特集:ブッシュの不安と再選戦略
7月25日号 特集:漫談、2004年米国大統領選挙
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コメント
メモ中にリンクした「溜池通信」のどこかにも記述されていたように思いますが、アメリカ人の6割は人口5万人以下の小さな町に住んでいます。日本と比べると、米国社会は情報伝達速度がはるかに遅いようです。
その意味で、アメリカ社会の情報-表現論的な偏差(バイアス)は私たちの社会とは根本的に異なります。そのあたりを十分に理解しておかないと、アメリカ大衆の心情やアメリカという国の政策なども理解しにくいのかもしれませんね。
投稿: Ryu-Ha | 2004-02-15 23:35
アメリカという国については、いろんな情報が入ってくるから分
かったような気になっていますが、個人的には分からないところ
が結構多いかなという気がしています。
子どもの頃に見たアメリカのTVドラマとかアニメのイメージが
わりと自分の中でアメリカという国のイメージを固定させている
んですよ。家族主義とでもいうのでしょうか。家族を大切にし、
何をおいてもまず家族優先。別に家族愛が気持ち悪いとか嫌だと
いう意味ではありません。
最近の映画を見てもそういう雰囲気を醸し出した作品はあります
が、ひょっとして、それは幻影というか、裏を返せば合衆国に失
われつつあるものへの憧憬なのかなと。
選挙戦における様々な報道のなかで、妙なところに目がいってい
たのですが、田舎への攻めかたとしては上手いなと思う場面があ
りました。「やっぱさぁ、俺たちの国はさ、ファミリーを大切に
することだよね」といった類の言い方。ある意味では大統領選向
きじゃない気がしましたが、でもよく考えると、国家百年の計に
ついて大風呂敷広げて語る一方で、そういう観点もありかなと思
ったりもしました。経済的に病んでいる今日、忘れかけている合
衆国の精神を呼び起こす効果があるのかなぁ……なんて勝手に思
ったりして。
いろんな意味で重たい国ではあります。
投稿: sasuke | 2004-02-15 00:55