2011-08-23

遊びたいのに、遊んでくれない

この動画、絶対にメモしておこうと思っていました。

「遊ぼうよ」としきりと誘うのは茶色ちゃん。
「嫌だよ。寝ていたいんだ」とクロちゃん。

ほんと、会話しているみたい。かわいいよねえ。

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2011-06-28

福島第1原発、汚染水は回らない

解説:東日本大震災 福島第1原発「循環注水冷却」 安定稼働、不透明 - 毎日jp(毎日新聞)

原子炉建屋の地下などに溜まった汚染水。貯蔵用タンクの容量限度が近づいています。
しかも、季節は夏ですから、大雨に見舞われる可能性も高い。汚染水が海や地下水脈にあふれ出る危険性が高まっています。

放射能汚染水の拡散に対するほとんど唯一のソリューションが「循環注水冷却」。汚染水を浄化し、循環させて冷却水として再利用するんだそうです。

昨日、それが動き始めました。

しかし、システム稼働から1時間半足らずで、あえなく停止してしまいました。
原因は「汚染水を移水するホースで水漏れ」だとか。だいじょうぶか。

期待を裏切り続ける東電。もちろん、現地の技術者や作業員は昼夜をおかずに必死の作業に勤しんでおられることは確かでしょう。
でも、なかなか結果がねぇ・・・・・・・

今日は東電の株主総会。どういう議論が交わされるのでしょうか。
株主ならずとも言いたいことは、いっぱいありますよね。

解説:東日本大震災 福島第1原発「循環注水冷却」 安定稼働、不透明

 ◇「冠水」こだわり遅れ

 東京電力福島第1原発で27日、汚染水浄化システムが本格稼働し、処理した汚染水を原子炉の冷却水に再利用する「循環注水冷却」が始まった。安定運転が続けば、原子炉の安全な状態である冷温停止の達成が視野に入る。しかし、稼働直後に汚染水を移水するホースで水漏れがあり、今後も問題なく稼働できるか不透明だ。

 現在、最大の課題の一つが汚染水だ。原子炉の冷却には水を注入しなければならないが、注入するほど汚染水が発生。汚染水は作業を妨げ、一部は海に漏れた。システムの安定稼働は「炉心の冷却」「汚染水の低減」の両立をにらんだ神経戦からの解放になる。

 だが、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が27日の会見で「何もなく進むことはない。安全管理に努めてほしい」と語ったように、楽観できない。

 まず、11万立方メートルもの汚染水処理は前例がない。システムは全長4キロに及び、トラブルが懸念される場所は多い。処理に伴って年末までに発生する約2000立方メートルの高レベル放射性廃棄物汚泥(スラッジ)の保管方法のメドも立っていない。

 そもそも、循環注水冷却の実施は、政府と東電の「希望的観測」で遅れた。東電が4月に発表した最初の工程表には循環注水冷却ではなく、格納容器全体を水で満たして冷却する「冠水(水棺)」が収束の決め手として明記された。ところが、その後の分析で、格納容器に穴が開いていると判明。注水するほど汚染水が発生することが裏付けられた。メルトダウン(炉心溶融)や格納容器の損傷はないとしてきた政府と東電の対応が、初動対応を遅らせた。

 日本原子力学会のチームは、事故から約2週間後の3月28日に循環注水冷却を提言した。チーム代表の奈良林直・北海道大教授は「冠水にこだわり時間をロスした。データを分析すれば格納容器の損傷は当初から明らかだったはずだ」と話す。【中西拓司、岡田英】

毎日新聞 2011年6月28日 東京朝刊(リンク: 解説:東日本大震災 福島第1原発「循環注水冷却」 安定稼働、不透明 - 毎日jp(毎日新聞)

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2011-06-16

柄谷行人「倫理21」を再読しました

本屋の店頭で、たまたま「倫理21 (平凡社ライブラリー)」を手に取り、拾い読みしました。
とても読みやすい。講演記録の体裁をとっていますからね。

この本、実はハードカバーの単行本(「倫理21」)が出た時点で購読したはずでした。
ところが、本屋の店頭で手に取った文章の「形」と「意味」は、まったく未知なるもの。すべて忘れてしまっているんですね。
完全なる忘却。完璧なる記憶消去。驚いてしまいました。

自宅に戻り、ゴミの山と化している古本・雑誌の集積の前に蹲り、黙々と「倫理21」を探しました。
やっと見つけた私の「倫理21」は、白い表紙が少し黄ばんでいて、明らかに読み終えた形跡があります。

読み始めました。たったいま初めて手に取ったように「新鮮」です。
「ああ、思い出した……」などという瞬間は、ついぞ訪れることもなく「あとがき」にまで至りました。

トランスクリティーク ― カントとマルクス」、「世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて (岩波新書)」、「世界史の構造」……「倫理21」の後に出た柄谷先生の主な作品です。
再読するとなれば、そのすべてが「新鮮」なんだろうな……そう思いました。

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2011-06-11

「菅降ろし」と「原発」というタブー

「原発」はこの国における最大のタブーの一つ。
菅首相はこのタブーに触れたがゆえに、引きずり降ろされたのか。

そういえば、前福島知事である佐藤栄佐久氏が「知事抹殺」されたのも「原発というタブーに触れたからだ」と囁かれている(佐藤栄佐久前福島県知事は「反原発派」だったから逮捕されたのか 福島原発事故隠蔽で国と対立した直後に捜査 | 伊藤博敏「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]) 。

3月の震災直後、知人の一人が「福島原発事故をめぐって、これから『戦犯』逃れの動きが始まると思うよ」と言っていたことを思い出す。

「菅降ろしの背景」を分析する記事が「東京新聞」に掲載されていた。
地球が回ればフィルムも回る」というブログに記事が引用されていたので、再引用させてもらった。 同じく紙面の画像は「kehastroke」というブログから拝借した。ともに感謝したい。

【菅降ろしに原発の影 首相なぜ追いつめられた】 (東京新聞6月3日付記事)

不信任決議や党分裂の最悪の事態こそ回避したものの、「辞意表明」へと追い込まれた菅 直人首相。首相として求心力は放棄したのも同然だ。それにしても「菅おろし」の風は、なぜ今、急にこれほどの力を得たのか。背後に見え隠れするのは、やは り「原発」の影だ。初の市民運動出身宰相は、この国の禁忌に触れたのではなかったか。(佐藤圭 小国智宏)

今回の「不信任案政局」を振り返ると、菅首相が原子力政策の見直しに傾斜するのと呼応するように、自民、公明両党、民主党の反菅勢力の動きが激化していっ たことが分る。首相は5月6日、中部電力に浜岡原発の原子炉をいったん停止するように要請。18日には、電力会社の発電、送電部門の分離を検討する考えを 表明した。

さらに事故の原因を調べる政府の「事故調査・検証委員会」を24日に設置。25日には外遊先のパリで、太陽光や風力など自然エネルギーの総電力にしめる割合を2020年代の早期に20%へと拡大する方針も打ち出した。

自民党の谷垣禎一総裁も、17日不信任決議案を提出する意向を表明し、公明党の山口那津男代表も即座に同調した。表向きは「東日本大震災の復旧・復興に向 けた2011年度第二次補正予算の今国会提出を見送った場合」と言う条件を付けたが、原発をめぐる首相の言動が念頭にあったことは間違いない。

実際、自民党の石原伸晃幹事長は6月2日、不信任案の賛成討論で「電力の安定供給の見通しもないまま、発送電の分離を検討」「日本の電力の3割が原発に よって賄われているのに、科学的検証もないままやみくもに原発を止めた」と攻撃。菅降ろしの最大の理由の一つが原発問題にあることを告白した。民主党内で も小沢一郎元代表周辺が5月の連休後不信任案可決に向けた党内の署名集めなど多数派工作をスタートさせた。24日には小沢氏と、菅総理を支持してきた渡辺 恒三最高顧問が「合同誕生会」を開催。渡辺氏は自民党時代から地元福島で原発を推進してきた人物だ。

日本経団連の米倉弘昌会長はこの間、首相の足を引っ張り続けた。浜岡停止要請は「思考の過程がブラックボックス」、発送電分離は「(原発事故の)賠償問題 に絡んで出てきた議論で動機が不純」、自然エネルギーの拡大には「目的だけが独り歩きする」という具合だ。金子勝慶大教授は、福島第一原発の事故について 「財界中枢東電、これにベッタリの経済産業省、長年政権を担当してきた自公という旧態依然とした権力が引き起こした大惨事だ」と指摘する。

当然、自公両党にも大きな責任があるわけだが、「菅政権の不手際」に問題を矮小化しようとする意図が見える。

金子氏は不信任案政局の背景をこう推測する。「菅首相は人気取りかもしれないが、自公や財界が一番手を突っ込まれたくないところに突っ込んだ。自公は事故の原因が自分たちにあることが明らかになってしまうと焦った。それを小沢氏があおったのではないのか」

なるほど自民党と原発との関係は深い。

1954年当時若手衆院議員だった、中曽根康弘元首相が、「原子力の平和利用」をうたい、原子力開発の関連予算を初めて提出、成立させた。

保守合同で自民党が誕生した55年には原子力基本法が成立。その後の自民党の原発推進政策につながっていった。

74年には田中角栄内閣の下、原発などの立地を促す目的で自治体に交付金を支出する電源三法交付金制度がつくられ、全国のへき地に原子炉を建設する原動力となる。

自民党と電力会社の蜜月時代は今でも続く。

自民党の政治団体「国民政治協会」の2009年分の政治資金収支報告書を見てみると、九電力会社の会長、社長ら役員が個人献金をしている。

東京電力の勝俣恒久会長と清水正孝社長は、それぞれ30万円。東北電力の高橋宏明会長は20万円、海輪誠社長は15万円。中国電力の福田督会長山下社長はそれぞれ38万円を献金している。

会長、社長以下でも、東京電力では、6人の副社長全員が12万円~24万円を、9人の常務のうち7人が献金していた。

98年から昨年まで自民党参院議員を務めていた加納時男氏は元東京電力副社長。党政調副会長などとしてエネルギー政策を担当し、原発推進の旗振り役を務めた。

  

 民主党の小沢元代表も、東京電力とは縁が深い。

東京電力の社長、会長を務めた平岩外四氏は、90年から94年まで財界トップの経団連会長。90年、当時自民党幹事長だった小沢氏は、日米の草の根交流を 目的として「ジョン万次郎の会」を設立したが、この際、平岩氏の大きな支援があったとされる。 「ジョン万次郎の会」は財団法人「ジョン万次郎ホイットフィールド記念、国際草の根センター」に名を変えたが、今でも小沢氏が会長で、東京電力の勝俣会長 は顧問に名を連ねている。「(原発事故)神様の仕業としか説明できない」などと東京電力擁護の発言をしている与謝野馨経済財政相も、現在は大臣就任のため 休職扱いだが、副会長に就いていた。与謝野氏は政界入り前に日本原子力発電の社員だった経緯もある。

一方、電力会社の労働組合である電力総連は、民主党を支持している。労働組合とはいえ労使一体で、エネルギー安定供給や地球温暖化対策などを理由に、原発推進を揚げてきた。原発で働いている組合員もいる。

また電力総連は連合加盟の有力労組であり、民主党の政策に大きな影響を及ぼしてきた。

組織内議員も出していて、小林正夫参院議員は関西電力労組の出身だ。

つまりエネルギー政策の見直しを打ち出した菅首相は、これだけの勢力を敵に回した可能性がある。

結局、菅首相は「死に体」となり発送電分離や再生エネルギー拡大への道筋は不透明になった。「フクシマ」を招いた原子力政策の問題点もうやむやになってしまうのか。すべてを「菅政権の不手際」で収束させるシナリオが進行している。 (引用以上)


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2011-05-12

未来を構想するのは学者と自民党世襲議員だけ

本日(12日)、政府は東電に対する賠償支援スキームを閣議決定するという(政府が東電の賠償スキーム提示、株主・社債権者の責任問わず | 国内 | 特集 東日本大震災 | Reuters)。

このスキームには既視感がある。
ダラダラと10余年にわたって続いた不良債権問題の銀行支援スキームとそっくり。
時間ばかり費やして、挙句の果てに誰も責任を取らないまま、おそらくはじわじわと国民負担ばかりが積み重なるように増えていく・・・・・・

池田信夫blog : 東電の分割で焙燥原資を」で池田先生が教えてくれた以下のような文章を読んだ。
ともに東電を解体し、発電と送電の分離(アンバンドリング)を行なうことで賠償原資を創出するというスキームである。

「復旧ではなく復興」を目指し、「エコタウン構想」といった未来志向の復興を語る菅首相。
ならば、どうして「送電・発電のアンバンドリング」を目指さないのか。
これこそエネルギー供給構造の大改革であり、最悪の原発事故をして「禍転じて福となす」ことのできる政策ではないか。
「エコタウン構想」なんかより「東電エリアのアンバンドリング」のほうが、ずっとずっと未来を見すえたでっかい改革であるのは言うまでもない。

永田町界隈では自民党の河野太郎議員が、たいへん立派なことを言っている(政府与党案をぶっつぶせ|河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり)。
まったく同感せざるをえない。

自公嫌いの私にとって、とても残念なことなのだが、この三日月顔の自民党・世襲代議士に「義のようなもの」を感じてしまう昨今・・・・・・ああ、情けない。

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2011-05-11

釈然としない原発賠償支援策、高橋洋一氏の提言を聞く

福島第一原発の事故の被害者の方々に対する損害賠償問題。政府支援の枠組みが、大筋固まったと大手メディアは報じている。

東日本大震災:福島第1原発事故 政府、賠償機構新設で合意 東電資産買い取りも

    東京電力福島第1原発事故の損害賠償問題で、政府は10日、官民出資の「原発賠償機構(仮称)」の新設を軸とした賠償支援策で大筋合意した。東電の追加リストラ策などを見極めた上で、週内にも発表する。東電は損害賠償の財源とするため、機構に5000億~8000億円の資産売却を検討。一方、政府は官邸に設置する調査委員会で資産調査や経営監視を行い、公的管理下でリストラと賠償を進める方針だ。

   賠償策では、東電を含む原子力事業者の負担金で機構を新設。事業者の負担金と、国が発行する交付国債を裏付けとする資金をもとに、東電に対する融資などの形で賠償の財源を供給する。東電は毎年の利益から、1000億~2000億円程度を機構に返済する。

   一方、巨額の資産を保有する東電は、機構に一括売却することも検討する。資産売却を急速に進めると、不動産や株式市場に下落圧力が強まり、十分な売却益を得られない可能性もあるためだ。機構が一時的に引き取れば市場への影響を考慮しながら処分できる。

   東電は、資産売却と合わせて機構に優先株の引き受けを求めて賠償財源を確保する他、資産の証券化なども検討する。足りない分は、機構から融資などの資金支援を受ける。政府は東電の事業計画を認可する形で公的管理下に置き、リストラの進捗(しんちょく)状況などを監督する。政府はこれらの措置を盛り込んだ法案を今国会中に提出する。

    政府の支援を受けるにあたり、東電は国民の理解を得るために10年程度、株式配当を見送る。政府は、機構を通じて東電の優先株を引き受けるほか、金融機関の東電への融資に政府保証をつけるなどして、東電の資金繰りを全面支援することを検討している。【坂井隆之、大場伸也】
[東日本大震災:福島第1原発事故 政府、賠償機構新設で合意 東電資産買い取りも - 毎日jp(毎日新聞)]

何だか釈然としない。どうしてなんだろう? と自問すると、結局、「東電は株式会社という形態をとった私企業」であることに行きつく。
そうである限り、株式会社制度にもとづく責任は果たさなくていいのか。具体的には、株主責任や金融機関の貸し手責任などは問われないのかという問題だ。

中途半端な「公的支援策」は問題解決を遠のかせ、最終的な国民負担を増大させることは証明済みである。日本国民ならば、バブル崩壊後の不良債権問題の処理プロセスで身に沁みて経験したことではなかったか。

高橋洋一先生は、「小泉構造改革」がもたらしたほとんど唯一の成果である不良債権の処理を実務的に支えた天才的な官僚=エコノミストである。その彼が支援策に反対し、「東電を解体、電力業界に新規参入」で電気料金を値下げし、国際競争力アップを図れと主張している。

 これまで報道されているものを見ると、東電負担はほとんどない。世間が求める経営者・従業員のリストラは当人たちにとっては厳しくても、その金額はそれ ほど大きくない。もっとも企業年金までカットできれば、東電負担を数千億程度増やすことができる。その場合、その分国民負担が減ることになるが、企業年金の話はでていない。

 海江田万里経済相は、東電株主を救済する意向を示している。東電の個人株主は多く、天皇家もそうだといわれている。しかし、いくら優良株といって も株式は株式で、会社に何かが起こったときにはそれを負担するリスクバッファーの役割を担っている。それにもかかわらず保護されるというのは日本経済が異質であることを世界にいうようなものだ。

 もし株主に本来の役割を持たせるなら、例えば100%減資すれば、2.5兆円程度も国民負担は減少する。逆に今の政府案のようにすれば、その分国民負担が増えることになる。

 政府が株主を救済するのであれば、当然債権者も保護されるだろう。もし債権をカットすれば、その分国民負担は減る。

高橋先生は、市場経済のルールの尊重をただひたすら固守しようとしているわけではない。東電が金融機関から借りている負債については、被害者に対する賠償責任を優先せよと主張している。
市場経済における公的関与というのは、このような形を取るべきでないのか。

もっとも債権のカットには技術上の問題がある。電気事業法37条に基づく一般担保による優先弁済だ。金融機関関係者はこれを主張し、被災者への賠償より自らの債権を優先弁済すべきという。

 まず担保でカバーされている東電の債務は、負債計10.7兆円のうち5.2兆円しかない。しかも、カバーされていても、もし人道上の理由により被災者への賠償を先に実施して東電資産が目減りすれば、その範囲で担保権を行使するしかない。

 被災者への賠償は人道上の問題である。その点を絶対考慮すべきであり、通常の求償権と同列に扱って、被災者より債権者を優先すべきというのはいかがなものか。今の政府案は、株主と債権者を先に保護するが被災者の救済は後回しにして人間的な配慮が欠けているといわざるをえない。

政府=東電が押し切ろうとしている支援のスキームであれば、どうみても電力料金を上げざるをえない。

日本の電力は他の先進諸国と比較すると、明らかに高いのが現状である。
高橋先生は、これを機に電力政策を転換し、「禍を転じて福とせよ」と主張している。

大賛成である。
発電と送電を分離することは、太陽光、太陽熱、風力、地熱、バイオマス、小規模水力などなどの新エネルギーを活用していくための基礎的な前提条件となるだろう。
通信の世界で起きたことを電力の世界でも、いまこそ起こすべきなのだ。

いずれにしても、今の政府案のように、株主、債権者を守って東電を温存すると、その分国民負担にはね返ってくる。さすがに、東電の不始末のために増税は言えないので、国民負担は電力料金の値上げである。

 この値上げは、日本の産業力を大きくそぐことになる。ちなみに、今でも日本の電力料金は高い。それが数%から2割程度さらに高くなる。

 一方、株主・債権者に負担を負わし、電力事業を継続しながら東電を解体すると、電力料金の引き上げではなく、逆に電力事業への新規参入によって電力料金の引き下げることも可能だ。ピンチをチャンスに変える政策だ。

 電力が地域独占というのは経済学の教科書にもあるが、それは電力事業のためには巨額な設備投資が必要だから自然独占になると説明されてきた。とこ ろが、電力事業を発電と送電に分けると、そのロジックは送電に当てはまるが、発電は最近の技術進歩によって当てはまらなくなった。

 ということは、電話では電話網を開放していろいろな事業者を新規参入させ電話料金が低下したように、送電と発電を分離し、送電網を開放し発電では新規参入させたほうがいい。

 私の知っているだけでも、エネルギー関係や他の公益事業など多くの業者が新規参入を考えている。また、省エネに役立つスマートグリッドが日本で進んでいないのは、送電網が開放されていないからだ。

かつて日本の電力料金が高いのは停電がないからだと豪語されていたが、今は無計画な「計画停電」があるので、そんな強弁もできない。

 東電温存で電力料金引き上げか、東電解体で新規参入させ電力料金引き下げのいずれの政策をとるかで、日本の産業界は大きく変わるだろう。

 

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